阪神フ南極料理人』

阪神といえば、 応援団がいろんな意味でものすごいイメージ があります. 「勝った~勝った~また勝った~弱い○○にまた勝った~」とか、 他球団も似たようなものとはいえ、思わず伏字にしたくなるような過激な歌詞ですな. 一方で、現場でなければ拾えない、個人レベルのヤジもあります. ヒマなので古本屋で買っt文献を調査したところ、 「やっぱり関西の人は面白い」 という偏見が助長されてしまいました. ・「こうじ~、お前ん家の自販機、商品でてこんぞ~! 貯金箱か~? 」 実家がパン屋さんの山本功児選手に対して ・・・しかし、山本さんの巨人時代の写真が本当に少ない. というわけで、伝説の 「宇野のヘディング落球」 のとき、打ったのが山本さんですので、その写真でお茶を濁す次第. ・「きよはら~、お前ん家で買った電球、つかへんぞ~! 」 実家が電気屋さんの清原選手に対して このへんは選手の実家をネタにするという、ちょっと品のよろしくないヤジですが、こんなのはどうでしょう. ・うえはら~、おまえタテジマのほうが似合っとるぞ~! 阪神こんか~? 負けたからってヤケクソで巨人のエースをスカウト さらに、 ・よしのぶ~、もう勘弁したって~! その日、三安打で猛打賞の高橋選手に まさか泣きが入るとは. どうしても巨人戦のネタばかりですが、最後にひとつ. いわゆる「ダメ虎」だったころの象徴ともいえるやつ. ・のむら~、アイデーだかアイテーだか知らんが、阪神オツム弱いさかい、堪忍したってや~! ID野球の野村監督に 自軍の指揮官にまで詫び入れてどうする. 一部の過激派ともいうべきファンは論外ですが、俺この人たち結構好きかも. この映画を見れば、普段のご飯もおいしく感じる. 胃にもたれるギトギトの唐揚げも、麺から手造りのラーメンも、そして日本で食べるテリヤキバーガーも. 実際に南極観測隊の調理担当としてドームふじ基地で過ごした西村淳さんのエッセイを基にされているとはいえ、な~にも起こらないからこそ料理のおいしさが際立つ映画だったと思います. 平均気温マイナス57℃の過酷な南極越冬隊を描いているというよりは、少年に戻った8名のオッサンたちの、のんべんだらりな合宿を描いているかのようなこの作品. 調理担当の西村さん以外の雪氷学者・雪氷サポート・車両担当・医療担当・通信担当・大気学者・気象学者兼隊長の仕事などはほとんど描かれず、ただ8人のオッサンたちが食って遊んで、たまにケンカしているだけ. でもこれが逆に隊員たちの楽しみが「食べること」以外何もないことを際立たせているだけでなく、観客にも「食べることが人間の一番の楽しみであり、生きるの根幹」であることも強く感じさせてくれるんですよね. 仮にこの映画で調理担当以外の隊員たちの仕事も丁寧に描かれていれば、この8名のオッサンたちが「仕事に生きる男」として描かれていたでしょう. ただこの映画はOPのそれぞれの食べ方で個性を見せるという演出がされていたように、みんな「メシ食いに南極に来ている訳じゃない」んですけど、「メシ食うために南極にいる」んですよね. retorgearslough 仕事をするにもまずメシを食わなきゃ何も始まらない. その根幹を調理担当目線で描いているからこそ、この映画は面白いんだと思います. また造水作業中にみんなで「エビフライ♪エビフライ♪」と一致団結しては伊勢海老の丸ごとエビフライにみんなでゲンナリしたり、氷上野球よりも白線の代わりに引いたイチゴシロップの線をカキ氷として食べてみたり、南極ならではの祝祭日に高級料理店風に食事してみたり、医療ベッドが夜には「バーふくだ」の長椅子になったりなど、他に何もすることがない時こそ人間は何もかもを「食べる」ことに繋げようとするコミカルな様子も描かれているのも面白いこと. CTR360 マエストリ 特に豊原功補さん演じるドクターの面白さは最高ですわ. 医療担当なのに一番小汚いし、常に酒を飲んるし、火のついた肉の丸焼きを持って暴れまわるし、パンツ一丁で夜の南極大陸に赴いては身体を鍛えているし、最後は本当にトライアスロンに出場してトップを独走しているしと、調理担当と同じく隊員みんなの命を預かっている立場であるにも関わらずこのマイペースぶりには終始笑わせてもらいましたよ. それにしても海外から帰ってきてからお茶漬けなどを食べた時にも思いましたが、食べたいものが食べれない時間を過ごした後に食べたいものを食べた時のあのおいしさと感動は、本当に言葉では言い表すことのできないものがありますよね. それを「汁と麺があれば他には何もいらない」とまで言うほどのラーメンが大好きなきたろうタイチョーの無言で食べるシーンだけで見せてしまう演出はもうたまりませんわ. neucacounmi あのシーンを見たら叉焼やメンマなしでもいいからラーメンが食べたくなりましたよ. 普段何気なく食べているご飯. いつでも食べられる. この有り難味を忘れてしまうとそのご飯の本来のおいしさも忘れてしまうのでしょうね. 空腹が最高の調味料であると同時に、環境もまた重要な調味料. 南極で食べる日本を思い出すギトギトの唐揚げに涙するのも、帰国してから遊園地で食べたベトベトのテリヤキバーガーに「うまっ! 」と声をあげてしまうのも、全て環境という調味料のおかげなんでしょうね. あぁ~、何だか胃にもたれるのが分かっていても、手造りラーメンにおむすび、トン汁、分厚い肉、ギトギトの唐揚げ、ベトベトのテリヤキバーガーが食べたくなってきましたよ. できればそれらを本さんを父親・西村さんを母親とした家族のような8名になったあの環境で食べてみたいですわ. 深夜らじお@の映画館 もオーロラよりもラーメンを選んでしまうと思います. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう.